~紅龍の夢~

巻の三 THE PHANTASMAL LABYRINTH ─幻夢の迷宮─

-あらすじ-

ジルの従姉、イナンナに掛けられた呪いを解くため、サマエルは単身魔界へ戻る事となる。

しかし、汎魔殿(はんまでん)(=魔界の宮殿)で彼を待っていたのは、捨てたはずの王位継承権を巡る、幾重にも錯綜した陰謀だった。

首謀者を暴こうと奮闘するも、彼は意思を奪われ、操り人形にされてしまう……。

~登場人物~

<サマエル>
本編の主人公。追放同然に人界へ出て来た魔界の第二王子。
この巻までは、弟子の少女ジルと暮らしている。

<ジル>
人族の少女でサマエルの弟子。強い魔力を持っている。

<タナトス>
サマエルの兄。次期の魔界王。
傲慢な性格で粗暴な言動が目立つが、ジルには優しく接するようになる。

<イナンナ>
ジルの父方の従姉で、三歳年上。

<ベルゼブル>
魔界王。サマエル達の父親。

<アイシス>
サマエル達の母。サマエルを出産後すぐに死亡。

<イシュタル>
ベルゼブルの異母妹で、サマエル達には叔母に当たる。

<プロケル>
魔界の公爵。猫眼の公爵、氷剣公とも呼ばれる。ベルゼブルの従兄に当たる。

<ベルフェゴール>
ベルゼブルの同母兄で、サマエル達の伯父。
素行(そこう)の悪さから魔界王になれず、弟を逆恨みしている。

<リリス>
ベルフェゴールの娘。王妃になりたがっている。

<ダイアデム>
魔界の至宝の一つ、深紅に輝く“(ほのお)(ひとみ)”に宿る精霊。
外見は11~12歳の少年だが、実年齢は約六十万歳。

<テネブレ>
魔界の至宝の一つ、漆黒の宝石“黯黒(あんこく)(ひとみ)”に宿る精霊。
かつては“(ほのお)(ひとみ)”と同一の結晶だった。

<シンハ>
魔界の獅子。魔界王家の守護精霊として儀式には欠かせない存在。

<グーシオン>
魔界の公爵。サマエルの幼少の頃、味方だった数少ない貴族。

<ヴァピュラ>
グーシオンの息子。頭部がライオン。

<アスモデウス>
魔界の導師。サマエルとタナトスの幼少時代の教師。

<ウリクス>
魔界王の下、魔界を四つに分割統治するうちの一人。東のデーモン王。

<マンモン>
南のデーモン王。

<バイモン>
西のデーモン王。

<エギュン>
北のデーモン王。

<カルニヴェアン>
魔界の子爵。

<アリオーシュ>
魔界の男爵。

<アラストル>
魔界の男爵。

<ネビロス>
魔界の総統(そうとう)

<マルショシアス>
元・魔界侯爵。今は番犬に落ちぶれている。