この話は初め、ダイアデムが、リオンとライラをサマエルの屋敷に連れてく途中、焚き火の前で聞かせるというシーンとして考えたものでした。
しかし、本編に入れるとまた長くなるかなと、気に入ってた二人の別れのシーンを生かして番外編にしようと思ったわけです。
で、二、三回で終わる予定だったのが、例によってどんどん長くなっていって(苦笑)。
タナトスは、サマエルに意地悪したかっただけなんです。
なので、新婚さん(笑)が後で、もめたりしないように、ヴァージンの女性(乙女)しか解けない魔法をわざわざ選んだわけで。
散々やきもきさせたあげく、「俺は手を出してないぞ」ってね。
性格悪いですね(笑)。
きっと、前々から、「あいつらがここにいたら、こうして、こうしてやる」とか妄想してたんでしょう、多分(笑)。
そういや、昔には“初夜権”ってものがあったそうです。
“結婚の際、領主・聖職者・長老などが、新郎よりも先に新婦と交わることを公認されていた権利”のことで、英語の辞書にも載ってます。
でも、とんでもないですねー、んな権利(笑)。
もしタナトスが、それを行使してジルに手を出してたら、サマエルは魔法が使えなくなるところでしたが。
ま、それも二千年だけかも。だって“焔の眸”が来ることになってたんですから。
フェレスにキスしてもらえば……あ、呪文知らなきゃダメか(笑)。
タイトルは最初、「乙女のキッス」にしようと思ったんですが、これだとまるっきり某RPGのアイテム(笑)。
そこで「汚れなき唇」としたものの、「汚れなき者の唇」の方がよかったかな。
というわけで、この番外編、童話の「カエルの王子様」が元になってます。
でも、自分が覚えてる話では、カエルはお姫様に壁にたたきつけられて、王子に戻ったような……。
記憶違いかと思って調べてみたら、この童話、壁(笑)とキス、二つのヴァージョンがあるんですね。
そんなこんなで、連載中、ストーリーを考えながら寝たら、おっきなカエルのぬいぐるみを抱きしめてる夢を見てしまいました(すっごくふわふわ…笑)。